コードエディタ「Mu」の確認
Muエディタとは
Muは,プログラミング言語であるPythonのソース・エディタです. シンプルなインターフェイスが特徴で,プログラミングの初学者に適した開発環境として人気があります. WindowsやMac OSのインストーラが公開されており,手軽にインストールすることが可能です. 開発目的に合わせた複数のモードが搭載されており,標準的な Python3 に加えて, ゲーム開発のための Pygame Zero ,教育用のマイコンであるmicro:bitの開発のための BBC micro:bit に切り替えてコーディングすることができます.
Muエディタの使い方
Muエディタの基本的な使い方を学習しましょう.
モードの選択
Muエディタを起動したら,モードを選択しましょう. ここでは,標準的なPythonをコーディングするための Python3 を選択します.
スクリプトの保存
ツールバーにある「保存」をクリックして,名前を付けてスクリプト(実行可能なファイル)を保存します. ここでは,「chapter1.py」という名前で保存しましょう. Pythonのスクリプトの拡張子は .py です. 保存したらエクスプローラーなどで,chapter1.pyがPCに正しく保存されているか確認してください.
文字列の出力
それでは,次のコードを入力してみましょう.
print()
はコンソールに文字列を出力するための命令文であり,
Pythonで利用可能な 関数 という機能の一つです.
ここでは,「Hello World」という文字列をコンソールに出力しています.
出力する文字列は「""(ダブルクオーテーション)」,または,「''(シングルクオーテーション)」で囲む必要があることに注意してください.
print("Hello World") # print('Hello World')でもOK
ツールバーにある「実行」をクリックして,スクリプトを実行します. 実行すると画面下部にコンソールが表示され,「Hello World」と出力されていることが確認できます. 実行結果を確認したら,ツールバーにある「停止」をクリックします.
計算結果の出力
次に,次のコードを入力してみましょう.
ここでは,$1+2$という足し算の結果を,print()
でコンソールに出力しています.
文字列ではなく数値を対象にするときは,ダブルクオーテーションやシングルクオーテーションは不要です.
print(1+2)
ツールバーにある「実行」をクリックして,スクリプトを実行します. 実行すると画面下部にコンソールが表示され,「3」と出力されていることが確認できます. 実行結果を確認したら,ツールバーにある「停止」をクリックします.
コメント
記述したコードを一時的に無効にするには コメント を利用します.
記述されたコードの先頭に#
を記述することで,コメントとしてみなされ,
コードはスキップされ実行されなくなります.
コメントを利用して,コードの説明文を記載しておくと,後で読み返したとき理解しやすくなるでしょう.
# コメント化するには先頭に#を付ける
# print(1+2)
Muエディタの便利な機能
チェック
ツールバーの「チェック」でコードのエラー(文法の誤り)を検出することができます. 例えば,文法的に誤りのある次のコードを入力してから,「チェック」をクリックします.
print(Hello World) # ダブルクオーテーションがない
print (1+2) # 不要なスペースがある
「文法エラー」や「Whitespace before ‘('」のようにエラーが指摘されます. このエラーに基づき,コードを修正することで,バグを取り除いていきます. ただし,「チェック」の機能では判別できないエラーが生じることも多いので注意しましょう.
Tidy
ツールバーの「Tidy」でコードを読みやすいように整理してくれます. 例えば,次のコードが入力された状態で,「Tidy」をクリックします.
print(1+2)
すると演算子+
の前後にスペースが自動的に入力され,コードを読みやすくしてくれます.
print(1 + 2)
コードの読みやすさは 可読性(Readability) と表現され,プログラマの重要なスキルの一つとされています. 特にPythonでは制御構文において インデント(字下げ) が意味を持つため,可読性はとても重要です. 定期的に「Tidy」を利用して,可読性を保ちながら,コーディングするようにしましょう.
課題
次の課題に取り組んでください.
- 授業の感想を
print()
関数で出力する - 「チェック」でエラーがないことを確認する
- 「Tidy」でコードを整理する
課題を完成させたらスクリプトを保存し,「chapter1.py」を提出してください.